日本のターンキー陸上養殖プロジェクト:実例と教訓
日本で公開されている陸上養殖プロジェクトから、範囲・水処理・RAS・立ち上げについて何が学べるか — そして比較可能な提案を依頼する準備の方法。
事例のデータは各社の発表と専門メディアによるもので、出典を記載しています。FishMatch Group は これらのプロジェクトに関与しておらず、各社を代表するものではありません。
要点
ターンキー方式では、基本設計・設備・据付・試運転がまとめて引き渡されます。 日本の事例は、成功が水槽や設備だけでなく、水処理、冗長性、資金調達、初出荷までの立ち上げ期間にも左右されることを示しています。 そのため、すべてを書面で定め、受け入れることが大切です。
プロキシマー・シーフード(Proximar Seafood)— 静岡県小山町
- 富士山麓の地下水を使う、日本初のアトランティックサーモン陸上養殖場。孵化・中間育成棟と育成棟の2棟で構成され、閉鎖循環式(RAS)を採用しています。
- 2022年10月に最初の卵を導入し、2024年9月30日に初出荷(試験出荷約1.2トン)を行いました。
- 第1期の長期目標は年間約5,300トン(HOG)。2025年の年次報告では、育成棟の全モジュールが運転に復帰し、能力が回復したと報告されています。
購入者への教訓: 立ち上げから初出荷まで約2年かかりました。RASでは設備の冗長性と、トラブル後に生産を回復させる計画を最初から仕様に入れておくことが重要です。
出典: Proximar — 養殖場の概要 · Proximar — 初出荷(2024年) · Proximar 年次報告 2025
ソウル・オブ・ジャパン(Soul of Japan)— 三重県津市
- 津市の137,000 m²の敷地に、延床70,000 m²の閉鎖循環式アトランティックサーモン施設を建設。全面稼働時は年間10,000トンを計画しています。
- 2023年4月に着工し、完成は2025年度の予定と発表されました。
- 2024年6月、330億円(約2.1億米ドル)の長期借入契約を締結したと発表しています。
購入者への教訓: 大規模RASでは、建設・技術・資金調達の各契約を並行して進める必要があります。完成時期と稼働開始時期は分けて計画しましょう。
FRDジャパン — 千葉県(陸上養殖サーモン「おかそだち」)
- バクテリアを利用した脱窒装置により、換水をほとんど行わない閉鎖循環式(Closed RAS)でトラウトを養殖しています。
- 人工海水を循環させるため、海や川への排水がなく、海水の冷却コストも不要とされています。
購入者への教訓: 水処理方式の選択が、立地の自由度と電力・冷却コストを左右します。提案ごとの換水率と水処理の考え方を比較しましょう。
出典: FRDジャパン — プロジェクト
ターンキー提案を依頼する前に
- 提案を依頼する前に、魚種・年間生産量・出荷サイズ・販売先を決める。
- 基本設計、設備、土木・建築、据付、試運転を見積もりの別項目として依頼する。
- 取水・水処理・排水の条件と、書面による受け入れ試験を定める。
- 許認可と地元自治体との調整を早期に確認する。
- 種苗の調達方法と、初出荷までの生物学的な立ち上げ期間を計画する。
- 単価ではなく、総コストと範囲で提案を比較する。
よくある質問
ツールは無料です。調達支援は25万米ドル以上の商業プロジェクトが対象です。 サプライヤー名は開示せず、価格や結果を保証することはありません。